東京都小学校道徳教育研究会[都小道研]

会長あいさつ

令和5年度 会長あいさつ

 

 新型コロナウイルス感染症に対応しながらの学校生活が3年目を迎えています。これまで、各校では、感染症対策を施し、知恵と工夫を凝らす中で教育活動を行ってきました。学校行事の中止や延期、規模の縮小や内容の変更を始めとして、地域のもの、ひと、こととのかかわり等にも大きな制限がかかっています。同時に世界的な紛争も起こり、児童自身ではどうしようもない状況が多々あり、児童の心の成長に対する影響は計り知れないものがあります。この間、都内公立学校では不登校児童が4倍、全体の1%を超えています。従来からのいじめに加え、この不登校増加に対応するためにも児童の内面の育ちに大きな役割を果たす道徳教育をより一層重視していくことが求められています。
 「教師は子供の主体的な学びを支援する伴走者」と示された令和3年1月中央教育審議会答申の「令和の日本型学校教育」にあるように、特別の教科 道徳(道徳科)の授業においては、教師は裃(かみしも)を脱いで、児童と共に考え、児童自身が主体的に考えていけるような授業づくりが必要です。正に、児童が「今週も楽しみだなあ。」「このことを考えたい。」「みんなで話し合いたい。」という意識で望む学習にしていく必要があります。
 学習指導要領の改訂により道徳の時間が道徳科になって5年目を迎えています。検定教科書の配布により、都内のどの学校でもある一定程度の教材が整備され、量的な確保が叶っていますが質的な向上はどうでしょうか。通知表に記載する評価の在り方に視点が傾斜している傾向も見え隠れします。未だに道徳授業の基礎基本を知らずに毎週の授業に悩み、困っている若手教員も相当数いる実態もあるようです。本会には、道徳科の特質を踏まえたよりよい道徳授業づくりを行う深める役割と都内公立学校に分かりやすく道徳授業を普及啓発する広める役割の両面が強く求められています。昨今の社会状況も鑑みながら、今年度の研究主題を道徳教育と道徳科の共通の目標である「よりよく生きるための基盤となる道徳性を養う」としました。
 昨年度の定期総会は、2年続けての書面総会となりました。研究発表会も感染症拡大のため、オンラインで文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官 浅見哲也先生にご講演いただき、臨時総会・講演会という形で約100名の参加を得ました。各部の研究発表については、動画に収め、本会のホームページよりご案内し、ネット上で観ていただきました。
 本年度の総会は、参集での開催を目指し、総会・講演会後には各部会を一斉に開催する方向で計画を進めています。3年ぶりに会員が一堂に会しての総会となります。総会後の各部会では、部員たちが顔を合わせて研究協議することは今後の研究活動の充実に向けて貴重な機会になると信じています。
 本年度、本会は結成60周年を迎えました。この10年の間に「道徳の時間」が「特別の教科 道徳」となる学習指導要領の大きな改訂がありました。この10年を中心に本会結成からの研究活動を振り返り、新たな10年に向けてのスタートを切る年にもしていきます。
 また、令和5年度の関東地区小学校道徳教育研究大会は7年ぶりに東京が開催地となり、東京大会として実施される予定です。これまでの道徳教育の歴史と研究を振り返り、今後の道徳教育の在り方について考える機会となることを期待しています。
 今年度も、新型コロナウイルス感染症対策の中での研究活動となります。Withコロナ、Afterコロナ時代の研究の在り方も求められます。事前検討会のスリム化や研究授業の会場設定や動画の活用、オンライン会議など、これまでの「研究を止めない」という姿勢の中で得た知恵と工夫を生かしながら、研究主題「よりよく生きための基盤となる道徳性を養う」についての研究を深めていきます。

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