東京都小学校道徳教育研究会[都小道研]

研究主題

令和5年度 研究主題

よりよく生きるための基盤となる道徳性を養う

 人工知能(AI)、ビッグデータ、Internet of Things(IoT)、ロボティックス等の先端技術が高度化してあらゆる産業や社会生活に取り入れられたSociety5.0時代が到来しつつある今、社会の在り方そのものがこれまでとは「非連続」と言えるほど劇的に変わる状況が生じつつある。そして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う甚大な影響は,私たちの生命や生活のみならず,社会,経済,私たちの行動・意識・価値観にまで多方面に波及している。このような中、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけは、令和5年5月8日に、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行された。感染収束は不完全ではあるものの「ポストコロナ」の世界の到来が予感されるものであり、「ニューノーマル」という言葉も現実味を帯びてきているところである。このように加速度を増して変化する現代社会は、その様相は複雑であり予測困難である。

 私たちの学校においても、幼少期から自然や人との直接の関わりが不足すること等に起因する多様な問題が起こり、規範意識の希薄化やいじめ、無気力、不登校といった形で表面化している。令和4年度の都教育庁の調査報告では、令和3年度に引き続き「都内の公立小学校で100人に一人の児童が不登校」という看過できない状況となっており、「子供たちの心をどう育てるか」については、今、学校・家庭・地域社会で真剣に考え、論じ、対応をしているところである。

 しかし、ポストコロナは期待されるものの、今までの行動規制がかかる感染症対策下の生活の影響は多大で、児童は好きなことや興味のあることに夢中になって取り組むことが難しい状況が続いている。また、「夢や希望をもつことが大切だ」と分かってはいても、実現に向かって努力する状況ではないと感じてしまっている児童もいる。さらに、海外の状況からは、生命の尊さや人として生きる権利等についても深く考えさせられる。自らの力ではどうすることもできない閉塞感の中にいる児童に対し、それでも「人としてよりよく生きる上で大切なものとは何か」「自分はどのように生きるべきか」等について正面から向き合わせてその考えを深め、自らの生き方を育んでいくようにさせたいと強く願う。

 そこで本研究会では、昨年度に引き続き、学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育と道徳科との共通の目標である「よりよく生きるための基盤となる道徳性を養う」をそのまま研究主題とした。このような不透明な社会の中でも、全都60万人の児童に「よりよく生きること」について真っ直ぐに向き合わせたいと考えるからである。

 今年度も都小道研の調査部、研究部、研修部、事業部の各部が、ますます連携を深めながら組織的な研究活動に取り組んでいく。さらに、会計部、総務部、渉外部、広報部の各部が研究活動を支えるとともに、研究内容を都内各校へと広く浸透させ、都小道研の研究活動の統一感を図っていくこととする。

≪参考≫
・小学校学習指導要領解説 特別の教科 道徳編 [平成29年7月 文部科学省]
・「令和の日本型学校教育」の構築を目指して
  ~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの実現(答申) [令和3年1月26日 中央教育審議会]
・令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」について [令和4年10月27日 東京都教育庁]

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