東京都小学校道徳教育研究会[都小道研]

研究主題

令和3年度 研究主題

自ら感じ考え、他者と対話し協働しながら、よりよい方向を目指す資質・能力を育成する道徳教育
~自己を見つめ、生き方についての考えを深める道徳科指導~(2年次)

 新型コロナウイルス感染症の流行が収まらず、新たな課題が人間社会に突き付けられている。新しい生活様式が求められ、GIGAスクール構想における子供たちへの一人1台タブレットの配布等、教育環境も変化している。しかし、どのような状況であっても、グローバル化の進展、科学技術の発展、 社会・経済の変化に合わせて、様々な文化や価値観を背景とする人々と相互に尊重し合いながら生きることや、人間の幸福と社会の発展の調和的な実現を図ることが重要な課題であることに何ら変わりはない。 2015年9月の国連サミットにおいて全会一致で採択された「持続可能な開発目標SDGs )」達成に向け、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年を年限とする国際目標に日本が果たしていく大きな役割がある。こうした課題に対し、社会を構成する一人一人は、多様な価値観の存在を認識しつつ、自ら感じ、考え、他者と対話し、協働しながら、よりよい方向を目指す資質・能力を備えることがさらに重要となり、道徳教育が果たす役割は、ますます大きくなっていく。
 さて、小学校では「特別の教科 道徳」(以下、道徳科)が全面実施となり、4年目を迎える。昨年度は、研究授業や研究発表が紙面やリモート開催になる等、実際に授業を見る機会は減少したが、道徳科授業をよりよいものにしたいと考える教員は多い。しかし、週1時間の道徳科授業に「考える道徳・議論する道徳」、「主体的・対話的で深い学び」等の全てを盛り込もうとするあまり、児童の実態や道徳科の特質等を踏 まえているとは言い難い授業が展開されている実態もある。例えば、指導方法や手段に着目し、ねらいや児童の実態に合っていない授業が挙げられる。道徳科の目標は「よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うこと」である。道徳科の指導には、「児童一人一人が、ねらいに含まれる一定の道徳的価値の理解を基に、自己を見つめ、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心情、実践意欲と態度を主体的に育てる時間である。」という特質がある。教師は、確かな指導観(価値観、児童観、教材観)をもち、道徳科の特質を生かした学習指導過程や指導方法の工夫が求められている。
 令和元年度の調査結果によると、教師対象の設問2では「指導が難しいと感じること」として、「自分自身への振り返り」と回答した割合は 52 %で8つの選択肢の最上位であった。設問3では「主体的・対話的で深い学びのために道徳科授業で大切にしていること」として、 54 %もの教師が「自分自身への振り返り」と回答しており、9つの選択肢の最上位であった。一方で、児童対象の設問5では「道徳の学習をしてよかったなと思うこと」として、「自分のことを振り返ることができたとき」と回答した割合は 29 %で、7つの選択肢で最下位であった。以上の調査結果から、道徳科授業を進める上で、教師は「自分自身への振り返り」を大切にしているが、その指導は難しいと感じており、また児童も「自分を振り返る意義」を感じることが少ないことが分かった。この結果から、毎時間の道徳科授業で教師が児童に「自分自身への振り返り」をいかにさせ、その意義や喜びをもたせるかが、道徳科授業の充実には必要で、極めて重要な鍵になることが分かってきた。
 社会が大きな変化に直面する中で、新たな時代を見据え、社会を構成する主体者である一人一人が、自ら課題を見付け、学び、考え、判断して行動し、未来を力強く切り拓いていかなければならない。そのためにも、児童一人一人が毎時間の道徳科授業で自己を見つめ、自己の生き方についての考えを深める学習を積み重ねることにより、児童が自ら感じ、考え、他者と対話し、協働しながら、よりよい方向を目指す資質・能力を育成していかなければならないと考える。
 なお、令和2年度は、コロナ禍において十分な調査活動ができなかったことも踏まえ、東京都小学校道徳教育研究会では、令和3年度の研究主題を昨年度に引き続き「 自ら感じ考え、他者と対話し協働しながら、よりよい方向を目指す資質・能力を育成する道徳教育 ~自己を見つめ、生き方についての考えを深める道徳科指導~(2年次)」とした。
 本年度も都小道研の調査部、研究部、研修部、事業部の各部が、ますます連携を深めながら組織的な研究活動に取り組む。さらに、会計部、総務部、渉外部、広報部の各部が研究活動を支えるとともに、研究内容を東京都全体へ広く浸透させ、都小道研の研究活動の統一感を図っていくこととする。

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